浄土宗 大窪山光久寺 

紙谷仁蔵の挽き臼の墓

 

     紙谷仁蔵の挽き臼の墓

 海との縁を物語るものに、紙谷仁蔵(かみやにぞう)の墓があります。仁蔵は瀬戸内海の塩飽島の船大工で船乗りでした。巳年天保4年(1833年)の大飢饉の時に、津軽へ運ぶ予定だった米を能代におろし、下浜で大きな「なべ」をかけてかゆを炊き、食べものに困っている人たちに配ったという伝来の主人公です。同じ人に二杯渡らないように額に消し炭で印をつけたといいます。その後、能代に住みつき、そば屋を開業しました。仁蔵の墓は引き臼の形になっています。仁蔵の話は新聞でも紹介されましたが、横浜在住のその血縁の方が、祖父母から聞いた話と同じだと感激し、光久寺を訪れております。


 むかし話  紙谷仁蔵と挽き臼の墓
 むかし、日照りや寒さのために、お米がとれない年が続いたことがありました。人々は、食べるものがなく、草でも葉っぱでも食べました。木の皮や、わらびの根っこまでも食べました。おなかがすいて倒れ、病気になる人もたくさんいました。そんな時、船大工で船乗りだった紙谷仁蔵という人が、能代の港にお米をおろしてくれました。そして、そのお米でおかゆを炊き、食べものに困っている人たちに食べさせてくれるというのです。浜に寄せてきた木を集めて、大きな鍋をかけました。おかゆがクツクツと煮え、大きな鍋の大きなふたもカタカタとなり出します。
「いつ、煮えるのかな。」「早く煮えるといいなあ。」「うまそうだ。」「いいにおいだ。」
子どもたちは茶碗と箸を手に持ちながら、火の回りでうろうろしています。仁蔵は、そんな子どもたちをやさしく見ながら言うのでした。
「こら、そんなに騒ぐとおかゆがこぼれるぞ。今すぐに煮えるから、静かに離れて待っているんだぞ。さあ、できた。」
おかゆができあがりました。
「ありがとうございます。」「ありがとうございます。」
おなかをすかせた人たちが、たくさん仁蔵の回りに集まってきます。
「うめえ、うめえ。こんなにおいしいお米は何日ぶりだべ。ほんとうにうめえ。」
人々はおかわりがほしくて、また仁蔵のまわりに集まってきます。でも、おかわりをさせると食べられない人も出てしまうのです。そこで仁蔵は、火の燃えかすの消し炭で一回あげた人のおでこに印をつけることにしました。これでひとりでも多くの人に食べさせられることができる。でも、もっとおなかいっぱい食べさせることができればいいんだがな。仁蔵は喜んでいる人たちの顔を見ながら考えるのでした。
仁蔵は瀬戸内海の塩飽島の人でしたが、やがて能代に住むようになり、お嫁さんをもらいました。そして、おそば屋さんを開き、繁盛していました。けれど、残念なことに男の子を病気で亡くし、お店を継がせることができませんでした。仁蔵は亡くなる時、「私は船乗りだった。だから、海を守ってくれる仏さまである五智如来さまのそばで眠りたい。」といいました。仁蔵が死んだ時、人々はたいへん悲しみました。お墓は仁蔵の言葉通り、五智如来さまのある光久寺に建てられました。仁蔵の身体の回りには炭をたくさん入れて、腐らないようにしました。また、おかゆを食べさせてくれたことを喜んだ殿様からさかずきが贈られましたが、それも一緒に埋めました。<BR>
そのお墓は、仁蔵がそば屋であったので、そばの粉を引く引き臼の形にしたと言われています。また、引き臼の墓は、人間は一生懸命頑張って働きなさい、働けばきっといいことがあると教えているともいわれています。

          「秋田県子どもむかし話第一集」財団法人秋田県教育振興会
                        森田希仁(能代渟城第一小学校一年)                                     最優秀作品より


 



 赤間裕弥の「挽き臼の墓」

 帝国データバンク秋田支店長、赤間裕弥氏が、平成22年2月18日付秋田さきがけ新報の紙上で、当寺の「紙谷仁蔵の挽き臼の墓」を紹介してくれました。このこともあり、平成24年2月26日能代ミュージカルで「紙谷仁蔵物語」が上演されました。赤間氏の承諾をいただいて、ここにその内容を掲載いたします。 

2010年(平成22年)2月18日付 秋田さきがけ新報 
 

2012年(平成24年) 3月 3日付 北羽新報 
 

2012年(平成24年)3月16日付 秋田さきがけ新報 
 



能代ミュージカル


新聞記事でたどる
平成24年2月26日
能代ミュージカル「紙谷仁蔵物語」
 能代市には、脚本、スタッフなどすべて市民の手づくりで行う「能代ミュージカル」があります。能代市文化会館の完成を記念して1980年に始まり、公演回数は今年で31回をかぞえました。能代の民話、歴史上の出来事、社会問題などをテーマに行っており、地元だけでなく、広く人気を誇っています。その能代ミュージカルで、平成24年2月26日、当光久寺に伝わる紙谷仁蔵のおはなしを公演していただきました。能代市文化会館が超満員となる約1200人の観客が訪れ、感動的な演技に皆さんを魅了しました。公演の新聞記事を紹介します。


2012年(平成24年)2月12日付 秋田さきがけ新報  
 



2012年(平成24年)2月21日付 北羽新報 
 



2012年(平成24年)2月22日付 北羽新報 
 
 



2012年(平成24年)2月25日付 北羽新報 
 



2012年(平成24年)2月27日付 北羽新報 
 



2012年(平成24年)2月27日付 北羽新報 



2012年(平成24年)2月27日付 秋田さきがけ新報 
 



2012年(平成24年)3月7日付 北羽新報  
 





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